美味しい紅茶のいれ方セブンルール・ストレートティー編・ルール6「蒸らす」

こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。
令和時代の美味しい紅茶のいれ方セブンルール・ストレートティー編の「ルール6」として「蒸らす」「蒸らし時間をおく」を紹介します。この投稿は、当店の他のサイトで紹介してる内容と基本的には同じですが、今の時代に合わせて、また読者層の違いを考え、伝え方を多少変えています。
このルール、家庭は簡単です。お店は少し難しい場合があります。ルール5の「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」とは難しい理由が少し違っていてお店の考え方やコンセプトに影響を受けます。工夫やアイディアが必要なのではなくて考え方で決まってきます。
美味しい紅茶のいれ方・セブンルール6「蒸らす」
紅茶は、蒸らす(抽出時間をおく)ことで旨みなどを抽出します。
蒸らしている間に「紅茶のジャンピング」が起こります。
紅茶のジャンピングは、茶葉から旨味や香りを引き出すための大切プロセスです。
蒸らし時間を置くことで「茶葉が紅茶に」「湯が紅茶に」変わります。蒸らさなければ、葉っぱとお湯です。湯の味がする紅茶や紅茶の味が弱い紅茶がありますが、蒸らしが足りていないことが多いです。
蒸らし(抽出)時間の目安
蒸らし時間の目安は、商品に書いてあるはずです。販売者のおすすめのいれ方と自分の好みに合わせて数回試してみれば分かるでしょう。
私の場合は、はじめての茶葉に接した時は、その商品のいれ方で飲んでみます。例えば、湯の温度85℃で書いてあったら85℃でいれてみるし、蒸らし時間が9分だったらそうします。その後、自分が普段のいれ方で飲みます。そして、よいほうを選びます。ほとんどいつも通りのいれ方になりますけどね。
ティークラブおすすめの蒸らし時間
- ダージリン(フルリーフ)
- 4~5分
- キーマン(フルリーフ)
- 3~4分
- アッサムCTC・ディンブラ・ウバ・アールグレイ・キャラメルCTC(ブロークン)
- 3分
- フルリーフ・ホールリール・葉っぱの形の残った茶葉
- 3~5分
- ブロークン・細かくカットした茶葉
- 3分
多少長くなっても大きな問題はありませんが、短いと茶葉の旨味が出ないのでNGです。
人によっては長く感じる人がいるかもしれませんが、なにもしないで(他のことをするのは構いませんが)待つだけです。テクニックもなにもいりません。時間が紅茶を美味しくしてくれます。少し間だけお待ちください。
紅茶の抽出は1回
紅茶の抽出は1回だけです。
緑茶や中国茶のように何回も抽出しません。コーヒーと同じイメージといえば分かりやすいでしょうか。
一回の抽出で旨みを全部抽出する。そのために「蒸らし時間が長い」といってもいいのでしょう。
短い時間で抽出し2~3回抽出するのは「もったいない」。茶葉の美味しさを抽出しない紅茶を飲んでいるからです。
「美味しい紅茶を1回飲むのか?」「残念な紅茶を2~3回飲むのか?」美味しい紅茶を飲みたいのなら前者をおすすめします。
お店は「蒸らし」が難しい?
ルール5「汲み立ての水を沸かし、沸き立ての湯を使う」~ルール6「蒸らす」をキッチリと行うとお客様に提供するまでに時間がかかります。これがネックになるお店があります。
よい悪いということではなく、お店の状況やコンセプトによりますから、難しい場合は工夫をしたり、端折ったりすることも必要でしょう。
ただし、問題なくやられているお店もありますから、頭ごなしにできないと決めつけるのはいかがなものかと思います。できるお店もあるのですから。
味は重要でありながら、味がすべてではありません。スピードや手間の軽減も大切ですから、バランスを考えていただくしかありません。