本当にミルクティーのミルクは温めてはいけないのでしょうか?

本当にミルクティーのミルクは温めてはいけないのでしょうか?

こんにちは。紅茶専門店ティークラブの堀内芳昌です。

ミルクティー(Tea with Milk)のミルク、つまり紅茶に入れるミルクは「温めない!」といわれることが多いですね。ネットの情報などは顕著で、「絶対に温めてはいけません!」と強調する人もいるくらいです。温めるという意見も少しはありますが「温めてはいけない」が大半です。

本当にミルクティーのミルクは温めてはいけないのでしょうか?

理由をいくつか検証していきますが、その前に答えをいうと、コクあるミルクティーを飲みたいのなら「ミルクは温める」です。人肌~お風呂の温度くらいにほんのりと温めるのがおすすめ。沸かすのはNGです。

なお、あっさり軽いミルクティーは冷たい牛乳でOK。ミルクを少ししか入れないからです。

ミルクティーのミルクを温めてはいけない理由

  1. ミルクが変質する
  2. 牛乳臭さが出る
  3. 英国では温めない

ミルクを温めてはいけないといわれる理由としては以上のあたりが考えられます。一つずつ見ていきますね。

ミルクが変質する

ミルクを加熱する変質します。確かにそうですね。表面に膜をはるなど、牛乳の変質を実感することがあります。

とはいえ、

カフェオレなどのミルクは温めますよね?
シチューやスープなどの料理に使う牛乳は?
なにより、チャイ(煮出し式ミルクティー)は?
チャイはOKでティーウィズミルクはNGなのは不自然じゃないですか。英国式の場合は、チャイはないのかもしれませんが…。

なぜ、ミルクティー(Tea with Milk)時だけ、親の仇のようにダメだというのでしょうか?

紅茶は繊細な風味だから?

確かに紅茶は繊細です。けれども、ミルクティーにする茶葉は繊細なタイプよりもコクのあるタイプを使うはずです。

牛乳を温めることは他にもあるのに、ミルクティーだけ殊更に言うのは腑に落ちないんですよね。

牛乳臭さが出る

「牛乳臭さが出る」これは、温め過ぎなければ問題解決です。温め過ぎはよくありません。

ミルクを温めるのは、人肌~お風呂のお湯くらい。温度にすると40℃前後。このくらいなら臭みは出ません。

ミルクティーのミルクは温めてはいけないのでしょうか?

「英国では」問題!

「日本人好みと英国人好み」これは結構根深い問題ではないでしょうか。

英国人好みのミルクティー

英国のミルクティー、英国人が好むとされるミルクティーは、冷たいミルクを加えてややぬるめのミルクティーです。ここでは味については割愛します。

紅茶は、特にミルクティーは、熱々をふうふうして飲んだり、熱いものをずぅーとすすって飲んだりするものではないんですね。

日本人好みのミルクティー

日本では正しく作られたイタリア系のカプチーノがぬるいという意見が後を絶たないように、「熱いものは熱々で、冷たいものは冷え冷えで」が根強いですね。

ということは、ミルクティーも温かいというか熱々がよいと思っている人がそれなりの人数いると思います。ストレートティーもとにかく冷まさないように意識する人が案外いるんですよね。

そのあたりは実感しますが、熱々のミルクティーに関しては私も否定的です。紅茶が冷めた、ぬるくなったと感じない程度に温かいミルクティーをすすめていますが、熱々は味の面でよろしくないですね。

日本人好みと文化

日本人が日本で飲む紅茶なのですから、「日本人好みでいいじゃないか」という気持ちがある反面、「文化を無視するのはよろしくない」気持ちもあります。どちらも正しくて、どちらも間違ってはいないと思うのです。

けれども、昨今のなんでもかんでも「日本人好み」と称して、アレンジしまくり、変えまくりはいかがなものかと思っています。中にはもはや別のものという感じのものまで出てきていますからね。

文化は大事です。

私は「紅茶は紅茶らしく」「ビールはビールらしく」「パンはパンらしく」etc…と思っています。それが好きです。売りたいがために日本人好みとやらに寄せすぎるなと思っています。というか、本当に日本人好みなのかも疑わしいですしね。

とはいえ、

頑ななまでの「英国では」「英国人は」の強調、そして、「紅茶の飲み方は英国人が正しく、日本人が違っている」ような捉え方はどうなんでしょうね。英国人や日本人でも英国紅茶のお店の人や英国紅茶にこだわっている人が言うのはまだしも、一般の日本人が強調するのは、文化などを超えて単に影響を受けすぎじゃないかと思います。

ミルクティーのミルクは温めてはいけないのでしょうか?

多くの日本人がミルクティーを飲んだ結果

紅茶教室や専門学校などさまざまな場面で、「牛乳を人肌程度に温めたミルクを加えたミルクティー」と「冷たい牛乳を加えたミルクティー」を飲み比べてもらいました。

その結果は、ほとんどの人が温めたミルクを入れたほうが美味しいといいました。

しかも、ミルクティーの温度が温かいから美味しいと言っているのではないんです。ぬるいミルクティーが嫌なのではなくて、温めミルクを入れたミルクティーの方が味がよいと感じている人が多いのです。

ちなみに、私自身がミルクティーを飲む時には、冷たい牛乳を入れたミルクティーを飲む時と人肌まで温めた牛乳を入れたミルクティーを飲む時があります。時と場合によって、どちらも飲みます。比べると温めた牛乳を入れたミルクティーの方が美味しいと思っています。

牛乳を温めた方がミルクティーがミルキーになるんですよね。牛乳のコクや甘みが出ているのだと思います。温度だけの問題ではなくて、ミルクティーの味の官能的な判断なのです。

日本人と欧米人では味覚や内臓の機能などが違うといいます。文化は大切にしたいのですし、変化球推しをしたいのはありません。他の人と違うことを言って目立とうと思っているのでもありません。あくまでも、多くの日本人が感じた官能的な判断と私自身の味覚を信じたいのです。

コクあるミルクティーを飲みたいのなら「ミルクは温める」

この投稿でお話ししたいくつかのポイントによって、ミルクティーに入れるミルクは温めるのをおすすめします。ただし沸かさない。40~50℃程度。人肌~お風呂くらいの温度にしましょう。

なお、あっさり軽いミルクティーの場合は冷たい牛乳でOK。コクあるミルクティーを飲みたいのなら「温める」です。

  • あっさり軽いミルクティーは冷たい牛乳
  • コクあるミルクティーはミルクを温める

付け加えると、あっさり軽いミルクティーとコクあるミルクティーの飲み比べは、ほとんどの人がコクあるミルクティーを美味しいといいます。その点も含めて「ミルクティーのミルクは温める」をおすすめします。

あっさりしたミルクティーとコクあるミルクティーについては、別途触れようと思います。

室温の牛乳は現実的ではない

最後に、「室温の牛乳を入れる」という声がありますが、一般家庭では室温の牛乳は現実的ではないと思います。

牛乳を室温に出しておくのは衛生的に気になります。ミルクティーに入れる分だけをミルクティーを飲む少し前に出しておくのも手間ですし、家に買ってすぐにミルクティーが飲みたい時は間に合いません。

冷蔵庫に入れていた冷たい牛乳を室温にするよりも、ミルクティーに入れる分だけを電子レンジでもいいですから20℃か30℃か40℃くらいに温めたほうが手間も少ないし、現実的ではないでしょうか。

「ミルクティーのミルクを温めない」は間違ってはいません。ただ、日本の現代社会では、正しいのだけど少し使いずらい「おばあさんの知恵袋的」な感じなっているような気がします。

それでは、また。

「美味しい紅茶は元気の源」「おうちの紅茶が一番美味しい」そう思えるような紅茶のあたらしい楽しみ方を綴っています。

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